英語を勉強していると、冠詞「a」「an」「the」の使い方に戸惑うことはありませんか?
冠詞と呼ばれるこの単語は、英語の文章を自然にするためにとても大切です。
冠詞は日本語にはない英語独特の物なので、その使い分けが難しく感じられることもあります。
ここでは、冠詞の基本的な使い方から、具体的な使用例までを分かりやすく解説します。
初めて英語の冠詞に触れる方もしっかりと理解できる内容になっていますので、ぜひ最後までお付き合いください。
英語の冠詞「a/an/the」の基本ルール
英語の名詞の前につくa/an・theのことを冠詞と呼びます。
英語の冠詞「a」「an」「the」は、名詞の前に置かれてその名詞が何を指しているのかを明確にする役割を持っています。
これらの冠詞の基本的な使い方を理解することで、英語の文章がより自然になります。
それぞれの冠詞の基本ルールをわかりやすく説明していきますので、最後まで読んで理解を深めてください。
「a/an」の使い方をマスターしよう
まず「a」「an」は「ある1つの」という意味です。
この二つの冠詞は、不定冠詞と呼ばれ、特定のものを指さずに「1つの」という意味を持ちます。
「1つのもの」を表す名詞の前につけ、複数の時にはつけません。
また、「1つ、2つ、3つ…」(1人、2人、3人…)と数えられる名詞にのみつき、数えることが出来ない名詞にはつきません。
ここで例文を見てみましょう。
例:a notebook 1冊のノート
例:a student 1人の生徒
ここで注意が必要なのは、
数えられない名詞にはつかないということです。
例えば、水(water)のように形が定まっておらず、「1つ、2つ」と数えることができないものにはつきません。
そもそも日本語にはないものですので、「これは数えられるかな、数えられないかな」と、初めは混乱することもあるかと思いますが、数えられないもののパターンを知ることでこちらは解消されますので、焦らずじっくり見ていきましょう!
この数えられない名詞(不可算名詞)と特徴としては、
- 不可算名詞は複数形がなく、単数形のままで使われる
例: information(情報)、furniture(家具) - 抽象的な概念や物質が多い
例: happiness(幸せ) - 一つのまとまりとして扱われる
例: luggage(荷物全体)、homework(宿題全体)
見分け方のポイントとしては、
いくら細かくしても「それ」と呼べるもの=不可算名詞
例えば、水はいくら細かくしても水は水ですよね。
空気も同じ、お米やパンも同じです。
たくさんあるので丸暗記は難しいと思いますので、ポイントを押さえて覚えておきましょう。
また、「a」「an」は地名や人名などの前にもつきません。
「a/an」の使い分けを完全理解
「a」gaつくときと「an」がつき時の違いについてみていきましょう。
それは後に続く名詞の発音で決まります。
後に続く名詞が母音「あいうえお(a,i,u,e,o)」で始まる時、「an」を使います。
an apple (1個のりんご)
en egg (1つのたまご)
などです。
つまり,
後に続く名詞が子音の時=a
後に続く名詞が母音の時=an
となります。
「the」の正しい使い方
特定のものを指すときに使う「the」
「the」は定冠詞と呼ばれます。
「その」「この」といった意味を持ち、「これ」と特定できる名詞の前につきます。
また、話し手と聞き手の両方が特定のものを指していることをはっきりさせるために使われます。
具体的にどのものを指しているのかが明らかな場合に使用されます。
これに対し、先ほど学習した「a」はある1つの、という意味でしたね。
「a」には特定する働きはありませんのでご注意ください。
また元々ひとつしかないもの(それが何か特定できるもの)にも「the」を用います。
例:the sun(太陽)
既に話題に上がったものには「the」を使う
英語では、冠詞「the」を使って特定のものを指すことができますが、特に前に話題に出たものを再度言及する場合にも「the」を使います。
- 初めて言及する場合
- 最初に何かを紹介するときには、「a」や「an」を使います
- 例: I saw a dog in the park.
(私は公園で犬を見た)
- 再度言及する場合
- その後、同じものについて再び話すときには「the」を使います
- 例: The dog was very friendly.
(その犬はとてもフレンドリーだった)
このように、最初に言及されたものが特定された場合には「the」を使います。
また、会話の中で最初に何かを紹介し、その後そのものについてさらに詳しく述べる場合にも使います。
- I bought a new car.
(私は新しい車を買った) - The car is very fast.
(その車はとても速い)
何かを初めて言及する場合と、既に言及されたものについて話す場合の違いを意識しましょう。
最初は「a」や「an」を使い、次にそのものについて話すときに「the」を使います。
よく使われる「the」の応用例
唯一無二のものを指す場合
世界に一つしかないものや、特定の一つしかないものを指すときに「the」を使います。
- 例: The sun rises in the east.
(太陽は東から昇る) - 例: The president of the United States.
(アメリカ合衆国大統領)
話し手と聞き手が共通して知っているもの
話し手と聞き手の間で特定のものが明らかにされている場合に「the」を使います。
- 例: Can you pass me the salt?
(塩を取ってくれる?)
食卓に一つしかない塩を指しています - 例: Let’s meet at the library.
(図書館で会いましょう)
どの図書館かが話し手と聞き手に共通してわかっています
このように、共通認識でお互いにわかっているものには「the」を使います。
社会的・文化的に特定されたもの
社会的に特定されているようなものを指すときにも、この「the」を使います。
- 例: The news was shocking.
(そのニュースは衝撃的だった)
名詞でも「a/an/the」つかない場合に注意
人称代名詞の所有格(私の/あなたの/彼の/彼女の/それの)や「~’s」の形が名詞につく時は冠詞はつかないので注意しましょう。
例:a your dog ⇒ ×
例:the Risa’s teacher ⇒ ×
あなたの~(名詞)
○○さんの~(名詞)
のように「誰の」と特定されている時にはつけないので覚えておきましょう。
人称代名詞って?所有格ってなに?という方はこちら
「a/an/the」まとめ
「a」「an」「the」は英語の基本的な冠詞で、それぞれに使い方のルールがあることが分かりました。
「a」と「an」は不特定のものに使い、次に来る単語の音によって使い分け、「the」は特定のものや既に言及されたもの、話し手と聞き手の間で共通認識があるものなどに使います。
中学英語のやり直しとして、これらの冠詞の使い方をしっかりと習得しておくことがとても大切です。